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執筆者の写真副住職

お坊さんと一緒に愛について考える

更新日:2019年3月14日


本日は、築地本願寺にて、「お坊さんと考えよう vol.2〜お坊さんと一緒に愛について考える〜」でした。



主催は、東京教区仏教青年連盟。私はスタッフとして参加させていただきました。


18:30より開始。


オープニングムービーでは、恋愛、家族愛、友人愛、仕事愛、趣味愛、同性愛など、いろいろな愛が存在することが問題提起され、引き続き、スライドにて趣旨説明が行われました。


続いて、ワークショップ。お坊さんによるトークセッション(30分×2)が行われました。オープニングムービーにて紹介された色々な愛について、思うところを述べていきます。



その後は、参加者と輪になって、座談会。事前にいただいた質問などを共有し、一緒に考えます。


最後は、みんなで本堂に移動し、阿弥陀様の前で御法話を聞き、会を終えました。



愛というと、恋愛のことばかり考えてしまいがちですが、さまざまな愛のかたちがあることを改めて考えさせられました。


さて、仏教における愛は、二種類考えられます。一つは、人間同士の愛。これは煩悩や欲望とも言い換えられ、あまり良い意味では用いません。

オープニングムービーで紹介された多様な愛は、すべてはこの煩悩に集約されるでしょう。そして、できるだけそのような煩悩から離れていくことが、仏教の目指す方向です。


しかし、宗祖親鸞聖人は、自らの力では、煩悩を無くしていくことができない、と悲嘆されたお方です。煩悩まみれの私だからこそ、その私を見捨てず支える仏さまがおられるんだ、と仰いでいかれました。これが仏さまの愛です。慈愛や慈悲とも言います。


仏さまの「慈悲」と「愛」とは、厳密には異なります。が、有名な仏教学者は次のように述べています。

 

慈悲とは、一言にしていうならば、愛の純粋化されたものである

(中村元先生著『慈悲』講談社、2010年、p.42)

 

ところで、浄土真宗では、仏願(仏さまの心)を「聞く」ということを一番大切にします。

仏さまは私のことを、煩悩から離れられない存在だとご覧になっています(仏願の生起)。

そしてその私を摂め取って捨てず、やがて命終える際、煩悩から離れたさとりの境地へ連れていってくださいます(仏願の本末)。

この「仏願の生起・本末」を聞いていくことが浄土真宗という仏教の肝要です。言い換えれば、仏さまからみた「私のすがた」と、その私を救う「仏さまのすがた」を聞くことが大切です。


ただし、この度の会では、こうした浄土真宗的な結論へ導いたり、強要するところが目的ではありません。お坊さんも参加者も、ともに一緒になって考え、答えがないままに、それぞれに思いを馳せるところに、目的がありました。とてもあたたかい時間でした。


なによりも、ご一緒したスタッフのコメントや対応は、大変勉強になりました。


また、参加者のなかで、休憩中や移動中に話かけてくださった方がおられたことが、とても嬉しかったです。


学びの深いひとときを有難うございました。



『築地本願寺の隣にあるお寺 法重寺』

#愛 #東京教区仏教青年連盟 #お坊さんと考える

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